(1)

ここだけオゾンホールができてるのかというくらいじりじり日が照っていて、
日焼け止めなんかもう意味ないくらい汗が噴出している、そんな夏の日。

私は実家を離れて一人暮らしをしている平凡な大学1年生。
これでも高校時代は成績優秀。
表彰されたこともあったんだから。
今といえば期末試験中にゲームをしてしまってそこそこの成績を残してしまった凡人と化してる。
後期は本領発揮しようかと企て中。
あの時期にゲームしたい症候群がでたからしょうがないじゃん!!
あっ名前は宮迫月(みやさこ ゆえ)、19歳。
姉が3人いてちなみに上から花(はな)28歳、鳥(とり)27歳、風(ふう)25歳だ。
うまい具合に花鳥風月である。
親は女四人生むことを知ってたのだろうかってくらいにうまい。
ちなみに母の名は夢(ゆめ)で父の名は宇海(うみ)である。
実家を出たいと思い始めた原因は父だ。
それはまた別の機会に話すことになるだろう。
要は私は父のことを憎んでいて、表面上は大好きなように見せているということだ。
ちなみに母のことは大好きである。
ぼーっとしていることが多いと言われるがこれは同時に何個も考えていたりするからである。
能ある鷹は爪を隠す。
まさにこの言葉がふさわしいと内心自分で思ってしまうのに自分自身に呆れてしまう。
ま、こんな性格だと知っている人はまずいないけれど。


ふとテレビを見ていると、交通事故のニュースがあってた。
追突事故で前方の車内にいたは人は即死だった。
運転者に非があった。
なんと飲酒運転。
悲惨なものだった。
ふと考えた。
車が衝撃を吸収する車があればいいのに…。
そうだ、○ヨタに言ってみてはどうかな。
思い立つとすぐ行動しなければとその時はなぜか思い、意見のメールを送った。

それから数日後。

プルルルル…

「もしもし」
「こちら○ヨタのものです。宮迫月さんですか?」
「あ、はぁ。」
「先日の意見、とても参考になりました。
つきましては本社の社長と面会していただけないでしょうか。
社長がとても興味を持ちまして、ぜひともあなたに会いたいと申しております。」
「あ、はぁ。でも…」
おいおい、嘘だろ?
社長だぞ?
まじ緊張するし。
「社長がぜひともと申しておりますので、どうか…
送迎はこちらが行いますので。
あの、どちらにお住まいですか?」
そっか本社は日本の首都だもんな。
「K県ですが…」
「少し遠いですね。二泊三日でどうでしょう?」
なんか話が飛んでないか?
まぁいっか。
「それはいいんですが、大学があるので…」
「それはこちらで解決しますよ。
今後のこともありますので、特別待遇になると思います。
大学のほうも多分よろこんで引き受けると思いますし。」
は?何のこと言ってんの?
まっまさか…。
いや、でも確信ないし。
「そっそれはどういうことですか?」
「あっまだ秘密です♪」
いい大人が語尾に音符とかつけやがって。
「そうですね…では、明日、K駅に10時に来てください。」
これは大人しく従っとくか…。
「分かりました。」
「それでは失礼します。」
「はい、どうも。」
いけねー、バイトの時間だ…。
シフト変えてもらわないかんな…。
いそいそと今後の想像できるあらゆることを考えつつ家を出た。

BACK* SERIESTOP* NOVEL* INDEX* NEXT