(10)


神楽って誰?って思ってる人!
挙手!!
皆さん正直で何よりです!
レンとかヨウとかキョウヤとかタクマのグループ名ですよ〜!
実は筆者も忘れていたとかいないとか…。
んと、まぁ、今日は例のCMの報告会です。

…なんでこいつがいるかな…。
私の隣にいる奴、その名も高原明(24)。
もう、本当にこの上なく、やんごとなく不本意ではあるが一応私の婚約者。
なんと奴は専務だったらしい。
まぁ、あんまり他とは接点ないしなぁ。
んで、なんでこいつがいるかというと…
「月を一人、狼の群れにいれてたまるか!襲われたらどうするんだ!!」
とのたまわったからである。
一番危険なのはお前じゃね?
っつうか、私一人ではなく、瀬野もいるし。

本社の応接室のドアを開けると…
「月!!久しぶり〜♪」
とヨウが抱きつこうとしてきた。
まぁ、そんなことは想定内なんで、かわそうとすると、
「俺の月に何しようとしてんだ!!」
またまた〜♪
誰がお前のだっての!!!
シメるぞ、ぼけぇ!

奴の足を思い切り踏んでやると
「「「「俺の月?」」」」
「申し訳ございません。こちらはわが社の専務の高原でございます。先ほどの発言、お聞き流しください。」
「聞き流せねぇな。お前なんで自分の所有物みたく言ってるわけ?」
とレン。
「そうそう。そこは重要だよね。」
と同意するキョウヤ。
「…返答次第でシメる。」
脅しちゃだめでしょ、タクマさん。
私の方が数倍、奴をシメたいんだから!

「だって月は俺のフィアンセだもん。だ・か・ら、俺のもの♪」
ん〜、怒っていいですか?
もう、怒っちゃいますよ?
「…あんた消えたら?」

あれ?皆静まってる?
神楽の面々はどこか青ざめている。
でも、奴には効果なかったようで…
「そんなこと言っていいのかなぁ。未来の旦那さんにむかって。」
「婚約者は物凄く不本意ではありますが認めます。しかし、あなたと結婚するとは言ってません。よってあなたが私の旦那になることは未来永劫ありえません。」
そうそう。このタイプの人間、本気で嫌いなんだよね。
あっ本気と書いてマジと読みますから!!
ここテストに出るよ〜。
「父さん、悲しむだろうな…そんで仕事量が…」
「脅しであなたを好きになると思ったら大間違いです。」
「てか、どゆこと?なんでその自称婚約者がここにいるの〜?関係ないじゃん。」
最もだ!!
「そんなん決まっている!!お前らみたいな狼のいるところにかよわい月を置いていけるわけないだろうが!?」
明以外一斉にため息をついた。
「瀬野もいるんで、そろそろ退室した方がよろしくては?」
「い・や・だ!!!!」
「副社長命令だ。退室しろ。さもなくば、俺はお前を選ばない。今すぐだ。退室しろ。」
これは効いたようだ。
しぶしぶ部屋を退室した。


「先程は失礼しました。」
一応謝っておかなきゃね!
「それにしても、すごい迫力だったね。」
「ほんと!副社長ってかんじだったよ〜♪」
「いや、こいつ副社長だから。」
「…」
あんまり気にしてないみたい…良かった!

「なんであの人月の婚約者なの?」
やっぱり聞くんだ…。
円滑に物事を進めるためには仕方ないか。
「社長命令です。」
「何あいつ。社長ジュニアなわけ?」
「…むかつく。」
「でも、社長の命令だからって言うこと聞かなくてもいいんじゃないの?」
「仕事量を数倍にされなければちゃんと断ってました。」
「それってすっげー卑怯!!」
「でもなんか先越されちまったな…。」
「そうかもな。」
「俺、決めた!!月!!好きだ!!」
…ヨウさん、知ってますが?
「…っていうか皆月のこと好きだよって俺前に言った。」
そうそう。彼に聞きました。
「じゃあ今の発言って無駄!?」
「「「「うん。」」」」
「がーん!!!」

BACK* SERIESTOP* NOVEL* INDEX* NEXT