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えっとですね。
私がこの企業に勤めるきっかけって覚えていらっしゃいますでしょうか?
人身事故でも人が死なない車をつくるということを進言したことですよ!
そうだっけ?って?
まぁ作者でさえ忘れてたことだから無理もないです…。
んで、大体その衝撃を吸収する素材とか私の研究でなんとかなってためしに作ってみることになったんです。
でも、新たな問題発生。
それは、死なないんだからといって事故の増加に繋がるのではということ。
私が出したアイデアでは衝撃と同時に警察に通報され、免許剥奪及び3年間の再発行不可能の処分にするということ。
これでは法律とかも関わることだけど、その認証は取れてるんですよ。
しかーし!!
その通報されるシステムが完成できてないんです!!
それで我が社のとった行動。
共同開発しようぜ!!!
そういう機器に精通しているSUNNYさんに協力を依頼しましたところ一発OK♪
順調の極みだ!!
さすがはSUNNYさん。
試作はもちろん。
完成度が実に素晴らしい。
後は商品化が問題となるわけで。
今回の責任者は勿論私。
めっちゃ研究とかしてたし、他の車より思い入れがあるから。
で、商品化となったらCMを作らねばならない。
皆さんもご存知の通り、私が広報部長なわけで、楽曲提供を再びROSEさんにやってもらうことに…。
ROSEの方々がぜひ自分たちがっておっしゃってくれたんでお言葉に甘えた形になりました。
んで、今回の話は再びROSEさんとの打ち合わせなのです。

「またまたよろしくね〜。」
「よろしくお願いします。」
「えっと今回の車の名前は何だっけ?」
「え〜、ユノーですね。」
「ユノーか…。んでこのデザインだろ?う〜ん。ゼウスに比べると女性っぽい感じだな。」
「ユノーって確かギリシャ神話ではゼウスの奥さんのヘラと同じだろ?」
「そうですね。この車名は社長が決めたらしいですから。」
「なら話は簡単だよな。」
「そうだな。ゼウスのCMのアンサーバージョンってとこか?」
「え!?それってまた私が出なきゃダメってことですよね?」
「うん。そうだね。君だけじゃなくて明くんもだけどね。」
まさか〜!!!!
「あ、どうせならこの曲一緒に歌えばいいんじゃない?」
「それ、いい!どうせ共演する約束してた訳だし。」
嘘でしょ〜!!
まじ、本当に忙しいんだって。
殺人的なスケジュールをこなしてるのに!!
まぁ、研究は一段落ついたわけだけど、絶対に無理!!
社長が仕事減らしてくれるなら構わないけど…。
「ちなみに星羅ちゃんに拒否権はないんだからね。」
がーーーーん。
まぁ分かってたけど!!
「じゃあ、女目線だから…。」

はい。決まったこと。
ゼウスのアンサーバージョン。
ユノーに乗りながら、元恋人の明との思い出を振り返りながら男の家まで走り、家のチャイムを鳴らして男に抱きつく。
んで、ハッピーエンド。
!!!!まじで!!!!ってのが本音。
だって私から抱きつくなんて、今までからしても考えられないっしょ?
あ、続きなんだけど、楽曲のほうはボーカルのAYUさんと共に一緒にいられる幸せを願わずにはいられない、あなたなしの世界は真っ暗だ…みたいな女目線の曲。


こんなの歌えるのか?って感じだよ。
大体の詞はできたから、今回はベースのGENさんが曲を作ると言って帰っていった。
詳しい詞の内容はAYUさんが考えるらしい。
なんか本当に憂鬱になってきたよ…。
でも、NAOさんを餌にされたら釣られるしかないんだよ!!
それよりも社長は仕事を減らしてくれるのかが問題。
あの人のことだから、あなたなら大丈夫ですとか言って減らしてくれなさそう…。
下手したら社長よりも忙しいのに!!
んで、奴に決まったことを言ったら、本気で喜びそうだな…。
私から抱きつかれるとか本望だろうし。

こんなことになったのもアラフォーのおっさんたちのせいだ!!
いくらかっこよくてもやっていいことと悪いことがある!!
あ〜あ、ため息しかでないよ…。

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