(12)

「あ、もうすぐ結果発表じゃない?」
「あーそうかも。」
「行こう!」
「うん。」

会場に到着した。
丁度いいタイミングだったみたいだ。

『さぁ、第3位!!男子、奥野比呂!』
キャー!!
黄色い歓声が…。
女子はいい男だとキャーキャー言ってるな…。
比呂は去年から順位をあげたみたいだ。
『女子、佐藤おぼろ!』
これは、これは、翔の彼女ではないか!!
『第2位!!男子、去年チャンピオンの笹野翔!!』
さすがだなぁ。
てか、この二人、すっげぇモテんのね。
『女子、女子も去年のチャンピオン、岡部秋子!』
えぇ!?
秋子が2位?
「やっぱりね。」
「え?なんで、秋子が2位?1位でしょ、普通。」
「何馬鹿なこと言ってんのよ。まさか、自分は3位以下だと思ってない?」
「違うの?」
「これだから…。」
『さてさて、お待ちかねの第1位!!ドラムロール!!』

ダダダダダダダダダダ…

『男子、南裕真!』
キャー!!!
一際黄色い歓声があがる。
『女子、滝沢じゅん!』

ん?

え?

「あっあたしー?」
『じゃあ、お二人、壇上へ!!』
あ、上がんなきゃダメ?

行くのを渋っていると
「いこ?」
南くんは手を差し伸べてきた。
「う、うん。」

『なんということでしょう!!ミスターとミスが手を繋いでやってきました!!』

え?

私は手を差し伸べられたから手をのせただけで…手をのせた!?
しっかり握られた手。
「嘘!?」
そう言うと南くんはニヤっとした。
そして
『さっき俺から逃げた仕返し♪』
と耳元で呟いた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
「うるさいよ、た・き・ざ・わさん。」
周りを見ると自分が大声を出していたことに気付く。
『え〜、何が起きたんでしょうね?』
司会者は不審がる。
さっと、そこに現れた、きのぴーこと木下恭平が司会者のマイクをぶんどり、
「おー、異常な滝沢が今年のミスか!!」
「だぁかぁらぁ、皆して異常って言うなー!!!」
「お?今日は彗星がふってくるか?」
そうふられてしまうと…。
「皆!地下壕を今から掘らねば!!避難しろ!!」
「がはははは!おめでとう。滝沢!あと、南。」
もう、観客はゲラゲラ笑っている。
もう、どうでもいいや。
全校生徒単位でウケをとれたから。(本当にそれでいいのか?BY作者)

「先生…一体何しにきたんすか。」
冷静に南くんがきのぴーに尋ねた。
「そりゃ、笑いをとりにきたにきまってるだろうが。こんな大舞台で滝沢と漫才できる機会を逃すとかありえないだろ!」
「そんなことのためにいちいちくるなー!!」
「ガハハハハ!」
もう、来年のミスもじゅんで決まりだなと思う、秋子と、翔と、比呂であった。

そこにものすごい不機嫌な男一人。

「木下、あとで絶対にシメてやる。」

こんなことを呟いたとかいないとか。

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