*SIDEおぼろ
ダムダムダム…
今は3on3の練習。
先輩は背が高いけんポジションはセンターっちゃだけど、3Pシューターでもあるっちゃんね。
フォワードでシューターってのはよくあることっちゃけどセンターでは珍しい。
スパ…
決まった!!
くるっと先輩はこっち見て小さくピースをした。
キューン
かっこよすぎるやろ!
てかなんかかわいいし!
あたし、絶対今顔赤いよ〜!!!
「今から3本連続フリースローきまったやつから今日の練習は終わり!!」
顧問の先生が言う。
皆急いで、フリースローをし始めた。
この後なんかあるとかいな…。
一番に終わったのはタメの吉田くん。
「おつかれ〜。」
「お疲れ!あっ俺も手伝うよ?」
「そう?ありがとう。」
私はというとこれからドリンク作って、皆に飲ませて、飲んだ奴を洗って、ゼッケンとか洗濯して干して終わり。
皆終わった人からこうして手伝ってくれる。
皆疲れとうのに助かるよ!!
「俺の彼女に気安く話しかけてんじゃねえし。」
「せっ先輩!!手伝ってるだけじゃないっすか!!男の嫉妬は醜いっすよ?」
「うるせえ!!お前はさっさと戻ってろ!」
「うぃーっす。」
「嫉妬ですか?」
「そうだよ!!悪い?」
嬉しい…。
「悪くないです。ちょっと嬉しいです…。」
「何だよ。そんなかわいい反応。反則やし。」
「なっ!!かわいくないですよ!!」
「俺がかわいいっていうんだからいいの!!」
「むー!!」
「かわいい♪」
「う゛ー!!」
「あんさ?明日部活休みやろ?やけん、どっか行かん?」
「え!!」
まじ嬉しい…。
そんなん勿論返事は一つやろ!!
「行きます!!行きたいです!!」
「良かった…。驚かれるけん行きたくないとかと思ったし!」
「そんなわけないじゃないですか!」
「じゃあどこ行きたい?」
行きたい場所かぁ。
先輩とだったらどこでも行きたいっちゃけどな。
敢えて言うなら…
「マリノア!!」
※マリノアとは世界第2位?を誇る巨大観覧車があるアウトレットショッピングモール。
「マリノアか…いいね!それ。」
「観覧車、乗りましょうね!!」
「おう!じゃあ、10時におぼろの家まで迎えに行くけん、ちゃんと用意しとかなよ!」
「家までって…いいんですか?」
「勿論やし。可愛いおぼろのためやもん、そんぐらいどうってことない。」
「じゃあ、楽しみに待ってます♪」
「おう。じゃあ、さっさと仕事終わらせっか!」
「はい!」
この時はまだ気付かなかった。
この初デートがとんでもないことを巻き起こすなんて。
誰にも分からなかったんだ。
私に降りかかる悲劇なんて。